現在、生活に欠かせないプラスチック製品に使用される原材料にはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、熱可塑性エラストマーなど多数ありますが、用途や形状、特性などさまざまな点から最適なものを選定し、射出成形後、プラスチック製品となります。その中でも医療用の機器などに使用されるプラスチック製品は一般的なグレードではなく、医療用グレード(メディカルグレード)が使用されます。
医療用グレード樹脂とは
医療用グレード樹脂とは、USP(米国薬局方)や国際規格ISO 10993などの厳しい基準をクリアし、認証を受けた原材料のことです。医療用プラスチック製品は人体に直接触れるものや、体内に入るものもあるため、生体適合性(プラスチック製品とヒトの組織との間に適合性があること)が必要不可欠です。生体適合性があるかどうか判断する規格としては、USPやISO10993があります。そして生体適合性を検証する際は、医療用プラスチック製品自体から有害物質が発生しないか、アレルギー反応が誘発されないか等、様々な角度から検証をしなければいけません。医療用グレード樹脂は、このような厳しい規格をクリアした材料のため、種類が限られていて入手が困難な場合があります。
医療用グレード樹脂の選定ポイント
メディカルグレードのプラスチック樹脂が必要な場合は、事前に使用用途とそのプラスチック樹脂の特性(収縮率や充填性など)を考慮する必要があります。そして樹脂メーカーの協力が不可欠となります。
プラスチック樹脂は種類によって透明性、耐熱性、耐薬品性、柔軟性など様々な特性が多数あります。なかでも充填性や収縮率は、高品質な医療用プラスチック製品の量産には製品設計の段階から確認しておく必要があります。例えば、図面交差が±0.1ミリであった場合、長さ100ミリの医療用プラスチック容器の製品に対して収縮率が0.001%大きいプラスチック樹脂で成形した場合、0.1ミリの差が発生してしまいます。このまま量産成形すれば交差内に安定した製品の成形は難しくなります。
また開発・試作段階の場合は、樹脂メーカーと共同開発しなければいけないのはもちろんのことですが、機能を満たす既存の医療用グレード樹脂を調達する際にも、流通量が多くない材料のケースも多々あるため、いずれにしても樹脂メーカーと協力しなければ、射出成形の前段階でとん挫することになります。
親和工業による医療用グレード樹脂への対応力
当サイトを運営する親和工業株式会社では、メディカルグレードの樹脂材料の射出成形にも対応可能です。特に開発・試作案件の場合は、材料メーカーとの共同開発を行うことで、特注のプラスチック射出成形品の製作も行っています。お客様と樹脂メーカー、そしてプラスチック射出成形メーカーである当社がタイアップして試作・開発することにより、最適なプラスチック樹脂の選択とプラスチック射出成形品の作製が可能です。また、流通性やご希望の納期、価格に合わせて、理化学用グレード材料や一般のプラスチック材料への材料変更によるコストダウン提案をさせて頂く場合もあります。
また医療用プラスチック.comサイト内ではご紹介しておりませんが、カテーテルコネクターに使用されるパーツで、バージン原料のまま成形するものや、ベース材に医療用グレード原料を使用した着色ペレットで成形するものがあります。カテーテルコネクターのパーツの医療用グレード材料はお客様のご指定でした。医療用グレードの原料は通常の限られた原料メーカーからのみ入手が制限されているものがあります。当社では信頼おける原料メーカー様とタイアップしていますので、原料メーカー様のご協力で入手することができ、量産成形が実現いたしました。
現在は多数のお客様より、既存の製品の原料を一般樹脂から医療用グレード樹脂へ変更するご依頼をいただいております。変更後の材料は、お客様ご指定のグレードや、当社で医療用グレード樹脂の原料選定をしてほしいというご相談もございますが、どちらも対応可能です。当社では、ご指定のグレードの成形試作の際にも、他グレードの試作を実施して比較することで、適正な判断をいただいております。例えば、同じ医療用グレードのPP(ポリプロピレン)でも、透明性や硬さ、成形性など実際の形状に試作成形して手に取ることで、違いも明確にわかることができます。
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『医療用プラスチック成形.com 』を運用する親和工業では、医療機器に使用されるプラスチック製品を常時、安心・安全な品質でお客様にご提供するために、社内にクラス10,000以下のクリーンルームを完備しています。当社のクリーンルームは高清浄度を実現するために3重のフィルター構造をとっています。
また当社では、クリーンルームを完備するだけでなく、平成29年に医療機器製造業登録証の取得、令和元年9月にISO13485の認証取得、そして令和2年にを第二種医療機器製造販売業許可を取得しました。
>>第二種医療機器製造販売業許可、医療機器製造業登録、およびISO13485の認証
このように親和工業では、これまで以上に医療業界向けのプラスチック成形品を、安心・安全にご提供する体制を整えています。近年では、DNase-free、RNase-free、エンドトキシンフリーの製品に対応し、放射線(ガンマ線、電子線)の照射による滅菌やEOG減菌にも対応しており、遺伝子治療や不妊治療向けの高精度医療機器の開発・設計・製造を行っており、各種特許も取得しております。
>>遺伝子解析・遺伝子治療用プラスチック成形品に関するよくある質問一覧
>>不妊治療向けの医療用プラスチック製品の開発ストーリーはこちら
さらに当社では、全国でも極少数しか取得していない特級プラスチック成形技能士を2名輩出しております。
医療機器製造業許可・ISO13485・医療機器製造販売業許可を取得し、クラス10,000のクリーンルームを持つ、安心・安全の生産工場にて、特級プラスチック成形技能士が各種VA/VE提案を行うことで、お客様の想いを形にして、日本・世界の医療業界に貢献してまいります。医療用プラスチック成形のことでお困りの方は、まずは医療用プラスチック成形.comを運営する親和工業株式会社までお気軽にご相談ください。